補足A タグの概念。
一応こちらでも簡単な説明を。
ここはタイトル、ここは段落、ここは作成者の名前と目印を付けると文書の構造が分かりやすくなります。この目印をタグと呼びます*1。
試しに手元にある福沢諭吉『文明論之概略』に目印を付けることを考えます。
福沢諭吉『文明論之概略』 文明論之概略 緒言 文明論とは人の精神発達の議論なり。(以下略) 巻之一 第一章 議論の本位を定る事 軽重長短善悪是非等の字は相対したる考より生じたるものなり。(以下略) 福沢諭吉
こういう文書があるとします。これに日本語で目印を付けることにしましょう。
<文書の名前>福沢諭吉『文明論之概略』 <大見出し>文明論之概略 <見出し>緒言 <段落>文明論とは人の精神発達の議論なり。(以下略) <見出し>巻之一 <小見出し>第一章 議論の本位を定る事 <段落>軽重長短善悪是非等の字は相対したる考より生じたるものなり。(以下略) <書いた人>福沢諭吉
分かりやすくなりました。しかし、どこからどこまでが題名で、どこからどこまでが段落なのかが分かりにくくなっています。始まりの目印以外に終わりの目印もつけることにします。終わりの目印には/を入れることにします。
<文書の名前>福沢諭吉『文明論之概略』</文書の名前> <大見出し>文明論之概略</大見出し> <見出し>緒言</見出し> <段落>文明論とは人の精神発達の議論なり。(以下略)</段落> <見出し>巻之一</見出し> <小見出し>第一章 議論の本位を定る事</小見出し> <段落>軽重長短善悪是非等の字は相対したる考より生じたるものなり。(以下略)</段落> <書いた人>福沢諭吉</書いた人>
これでそれぞれの範囲が分かりやすくなりました。
さてコンピュータというものは日本語よりも英数字の方が好きです。マークアップ言語であるHTMLでは文書の名前をtitle、見出しはh1-6、段落はp、書いた人はaddressで目印を付けることが薦められています。それに従って目印を付けると
<title>福沢諭吉『文明論之概略』</title> <h1>文明論之概略</h1> <h2>緒言</h2> <p>文明論とは人の精神発達の議論なり。(以下略)</p> <h2>巻之一</h2> <h3>第一章 議論の本位を定る事</h3> <p>軽重長短善悪是非等の字は相対したる考より生じたるものなり。(以下略)</p> <address>福沢諭吉</address>
これでhtml文書が出来上がりました。
実際に表示させると以下のようになります。
始まりを表す目印を開始タグと呼び、終わりを表す目印を終了タグと呼びます。タグで目印を付ける対象(例えばaddress要素内の「福沢諭吉」)を内容と呼びます。開始タグ+内容+終了タグを全部あわせて要素と呼びます。
一部例外が存在します。例えば画像を表示するためのimg要素や改行するためのbr要素は内容を持ちません。これらは空要素と呼ばれます。はてなダイアリーで使われているHTML4.01TransitionalというHTMLのヴァージョンでは空要素の場合終了タグは書いてはいけません。
要素・タグをそれぞれ細かく解説するとそれだけで一つのサイトが出来上がりますので省略します。
*1:タグ(tag)を辞書で引いてみましょう。ジーニアス英和辞典第2版によると1. 付け札, 下げ札, 荷札, 付箋, (自動車の)ナンバープレート
とあります。どうやら目印と説明しても問題なさそうです。