浅暮三文『針』

針 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

針 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)


同居人5が買ってきたので、読んでみた。
『カニスの血を嗣ぐ』、『左眼を忘れた男』、『石の中の蜘蛛』に次ぐ五感シリーズ第四弾になんのかね。『石の中の蜘蛛』だけ読んでないんだけど。
『カニス』、『左眼』で見せた描写力を、余すところなく生かしている。触覚が敏感になる理由もそれなりに納得出来る形で書かれている。最後はやっぱりそういう方向に行くのか。そうなるか。後書で必死で謝ってるけど。
気になった点が一つ。触覚が敏感になった浦野が、新たな感触を求めてショッピングセンターで色々触るところ。風を感じた浦野が髪を五分刈にするシーンがあるのだけれども、そこだけあっさりと書かれている。何でだろうね。